裏磐梯オフ’04(前編)

午前7:00。常磐道守谷SA。
爽やかなハズの朝なのに、粘っこい湿気だらけの空気が、身体にまとわりつく。なんかベタベタして気持ち悪い。

今日から2日間は、trx850.jp裏磐梯ツーリング。
とても楽しみにしていたツーリングだったのだが、不快な湿気にやられてしまい、すっかり気分はブルーになる。

今回は常連さんばかりのツーリングなので、挨拶もそこそこに済ませ、磐梯山を目指して走り出す。



常磐道中郷SAで、gomiさんと合流してから、記念撮影。


でも、gomi号はTRXじゃないので、遠くにとめていただきましたが(笑)。

いわきJCTから磐越道に入り、時折対面通行になる高速道路を、淡々と淡々と移動する。

不快指数の高い空気は、東北に入っても相変わらず。
kurokiのテンションも、上がらないのも相変わらず。

郡山JCTを過ぎ、山間部に入ると、空気が一変する。
標高が高くなったことで、気温が下がったせいだろう。ぬるかった空気が、きゅっと締まる。
頭上を覆っていた灰色の雲も消え失せ、抜けるような青空が広がった。
そして、磐梯山の荒々しい山稜が、目前にくっきりと現れた。

低かったテンションが、まさに一気に跳ね上がる。
むっはー!来たよ、来たよ、来ましたよ!

さあっ、楽しい裏磐梯ツーリングの始まりだっ!

今回の参加メンバー

今回の参加メンバーは、この面々だ(50音順、敬称略)。

  • ari
  • くりき
  • gooch
  • gomi@VTR1000SP2
  • tatuya
  • ゆういち
  • Iida@副幹事
  • kuroki@幹事

日帰り参加は、こちらの方々(50音順、敬称略)。

  • あんどー
  • げんちゃん@初参加

宿泊ツーリングであるため募集人数を絞ったけれども、今回もなかなか濃いメンバーが集まった。

Iida号に試乗

磐越道を磐梯河東ICで降りる。


新潟から来たariさんと合流して、喜多方を目指す。

もちろん目的は、アレですよ、アレ。
喜多方ラーメンに決まっているじゃないですか。

喜多方までの道中は、Iida号に試乗させてもらうことにした。
フルバランス取りされた噂のエンジンを、実感してみるために。

ハナシには聞いていたが、エンジンの振動が予想以上に少ない。
しかし、鼓動感はちゃんとある。
雑味や濁りを取り除くと本来の鼓動感が残った、と言ったら適切だろうか。

TRXが苦手とする3000rpm以下の低い回転域でもギクシャクしない。
低速がキチンと実用になるので、ツーリングでの使い勝手は抜群に向上している。
贅沢を言わせてもらうと、FCRのトルク感に慣れた身体には、若干物足りなく思えてしまったが。

また、’04 YZF-R1のセミラジアルマスター+MOSキャリパーの組み合わせが、絶妙だ。
柔らかで、かつコントロールしやすいタッチ。抜群の効き。これは素晴らしいっ。
是非とも、このブレーキシステムは、kuroki号にも装着したいっ!

‥‥い、いかん、これでは飛んで火に入る夏の虫。正気に戻らねば。

ただ、良いところばかりのIida号ではない。
真夏の気温の中で中低速走行を続けると、フルカウル化によってエンジンの熱気が急上昇。熱い熱い。
カウルが膝に当たるため、足のやり場に困ってしまう。ストップ&ゴーの多い市街地だと、微妙に鬱陶しい思いをする。

総評。
まったりツーリングマシン、というIidaさんの嗜好を反映したTRXだった。
しかし、試乗する度に思うのだが、いじり手によって、まるで性格の異なるマシンに仕上がるのには驚いてしまう。

喜多方ラーメン


午前11:30、喜多方市街に入り、川沿いにTRXを止める。


今回のお目当ては、「まこと食堂」なのだ。
前回は、既にスープが終わっていて門前払いだったが、今回は大丈夫。
それどころか、行列に並ぶことなく、すんなり店内に入って座ることができてしまった。

早く来ると得だよね♪


まもなく、お待ちかねの醤油ラーメンが運ばれてきた。
さて、いただきます!

‥‥旨い。

醤油ラーメンの王道を行く味だ。
しっかりコシのある味のスープだが、雑味は極めて少ない。
ちぢれ麺とのマッチングも絶妙だ。

この味なら、行列ができるのもうなずける。


スープまで飲み干して完食なのだ。ごちそうさま♪

まとわりつく眠気

tatuyaさん&げんちゃんとは、喜多方で合流するはずだった。
しかし、前日までのtatuyaさんの仕事が響いて、出発が遅れた模様。
kuroki達がラーメンを食べ終わった後も、まだ東北道安達太良SAにいる状態。

ここ喜多方で、tatuyaさん達を待つのは、時間がかかりすぎる。
地図を見ながら携帯電話で打ち合わせ、合流地点を中間地点の白布しらぶ峠に変更した。

それにしても、待ち合わせポイントを途中で変更するなんて、昔だったら至難の業だったよなぁ。
携帯電話が普及した今となっては当たり前のことだが、ホントに携帯電話って便利だと痛感する。

さて、白布峠へは、国道121号を通って、米沢側からアプローチする。
国道121号は、米沢に向かう唯一の幹線道路なので、遅い車が大名行列を作ることが予想された。
そして案の定、遅い車に従う我慢の走行を強いられる。

早起きした身体。
ラーメンを食ったばかりの胃袋。

こんな状態で、こんなペースの走行は、まさに拷問。
まとわりつく眠気を必死に振り払いながら、ただひたすらに、耐える。


我慢に我慢を重ねた末、道の駅田沢へ逃げ込んで、一休止する。
するとそこには、思わぬお客さんが居たのだった。

思わぬ訪問者

「TRXのオフ会の方ですか?」

その声の主は、米沢近辺にお住まいの、くらたさん。
trx850.jpの掲示板を見て、仕事を抜け出して来たそうだ。

思わぬ訪問者に、一同驚く。

くらた号の写真を見せて頂く。
サンダーエースをイメージしたカラーリングに、オールペイントされていた。
ここ山形にも、濃いTRX乗りが居るんだなぁ、と思わず嬉しくなってしまった。

西吾妻スカイバレー

仕事に戻るくらたさんを見送った後、kuroki達は白布峠を目指して走り出した。
事前にコースの下見をしてくれたariさんが先導なので、道に迷うことはない。

無料開放になった、西吾妻スカイバレーに入る。
お待ちかねのワインディングロードだ。

ゆういちさん、goochさんに続いて、コーナーに進入する。
この峠道は、中低速コーナーが連続して、比較的リズムを作りやすいが、上下のギャップが激しい。
時折、激しくマシンが揺さぶられるが、オクムラのMEチューンのお陰で、不安無く走ることが出来る。

白布峠頂上の駐車場に到着。


後続を待っている間に、tatuyaさん達も合流。
ドンピシャのタイミングで、全員が揃ったのだ。

VTR1000 SP-1に試乗

ほとんどが顔見知りのメンバーなので、初参加のげんちゃんに対して、皆さんが自己紹介。
その後は、各自のバイクを見ながら、カスタム情報の交換をしたり。
それと同時に、カスタムの効果を実体験するための、試乗会も行ったり。

kurokiは、フレームをアルミにして1000ccのエンジンを搭載した、gomi号に試乗する。
早い話が、HONDA VTR1000 SP-1なのだが、細かいことはさておくとして。

今しがた登ってきた峠道を、駆け下りる。

フロントカウルのコンパクトさに、まず驚いた。メーター類も遠い。
ネイキッドよりも身体がむき出しになっているような、奇妙な錯覚を覚える。

乗り味は極めて硬質だ。
どうやって乗ればいい?と、多少混乱しながら走るうちに、徐々にSP-1の特性が読めてきた。

基本は前の方に乗って、肘がタンクに触れるように、リーンの姿勢を作る。
姿勢が決まれば、待ってましたと言わんばかりに、抜群の安定感でターンが可能になる。
あたかも、ライディング強制ギブスをハメているような気分にさせられるが。

しかし、スゴイ。
ペースを上げていっても、破綻する気がしない。
気が付いたら、スピードメータの針が3桁に突入している。

乗り手がキチンと仕事をすれば、シッカリ応えてくれそうな安心感がある。
とてつもなくレベルの高いマシンだ。TRXなんて、まるで相手にならない。

だが‥‥SP-1のポテンシャルを生かすには、腕に覚えのある乗り手が、然るべき場所で走らせてこそ、だ。
ヘタれな乗り手を容赦なく突き放す厳しさが、SP-1にはある。
先日試乗したCBR600RRの方が、よっぽど楽に操れるように思う。
ツーリングマシンとして使うのは、かなり辛いハズだ。

総論。
SP-1は、本気マジで乗るスポーツバイクである。

逆に、中庸なTRXの良さを、またしても実感する結果となった。
続いて試乗したゆういちさんも、kurokiと同じような感想を持ったようだ。
Iidaさんなんて、SP-1の強気な性格に打ちのめされ、すっかりヘバってしまったようだし。

kuroki号のレビュー

前回の裏磐梯オフから、いくつもカスタムが施されているkuroki号。

  • 前後サスのMEチューニング
  • 前後ブレーキのO/H
  • ハイスロットル
  • 純正ステップのバックステップ化
  • ヨシムラマフラーのリメイク

そこで、前回も試乗されたtatuyaさんに再評価してもらうため、試乗を依頼した。



戻ってきたtatuyaさんの感想は「バランスが取れた仕上がり」と言う評価。曰く、

  • 前回はFCRのパワーだけが先走っていた感があったが、サスが強化されたことで、バランスが取れた。
  • ブレーキのタッチも良くなり、コントロールしやすくなった。
  • ポジション変更によって、足の収まりも良くなった。

なかなか嬉しい評価ではないですか!
でも、マシンが良くなっても、乗り手はヘタれなままですが(汗)。

夕立番長の笑号

あんどーさんは、喜多方でkuroki達と別れた後、東京へ向かって東北道を爆走していた。


リアシートには、まこと食堂のお土産ラーメン(for yokoG小技工房)を載せて。

目前に広がるのは、スコーンと抜けるような青空だったはずだ。
墨汁のようにドス黒い雨雲が頭上を覆い、やがて大粒の雨が激しく叩き付けた。

今日は晴れでしょう

そんな天気予報を信じて、雨具を持たずに来たあんどーさん。
ここは福島県の白河近辺。東京まで200km近くもあるのに‥‥。

路側帯にバイクを停め、陸橋の下で雨宿りをしながら、溜息をつく。
後日、「夕立番長」と言う笑号が贈呈されるとは、思いもしないあんどーさんだった。

ペンションラフィア

試乗を楽しんでいたkuroki達の頭上にも、真っ黒い雨雲が立ち込めてきた。
時折、雷鳴もゴロゴロと聞こえてくる。

路面が乾いているうちに、峠道を下ってしまいたい。
試乗はこの辺で切り上げて、さっさと宿へ向かっちまおう。

kuroki達は、檜原湖方面へ下っていく。
げんちゃんは、別の集まりに参加するため、米沢方面へと向かう。
宿まであと10分というところで雨にやられたが、大事には至らず。
無事にペンションラフィアへ到着した。


チェックインを済ませ、荷物をテキトーに片づけ、温泉へいざ出陣!
汗でベトついた身体を洗い流し、湯船の中に身体を沈める。

うっひゃー!サイコー!
いつもいつもこの瞬間は、鳥肌が立つほど、気持ちいい。

ひとっ風呂浴びた後は、もちろんビールでしょ。

ぐびっ、ぐびっ、ぐびっ。
ぷっはー、うんめぇええ。

この快感を味わえるのが、宿泊ツーリングの醍醐味、である。
げふっ。


ラフィアのお隣の檜原湖は、神秘的な光景。


まるで竜の巣のような雲。
明日もきっと良い天気だ。暑いくなるぞう‥‥。

ディナータイム


待ちに待った、ディナータァァァーイム!
前菜は生春巻き。


白身魚のフライ。


メインディッシュのローストビーフは、お代わり自由。


飢えたTRX乗りどもは、見境無く食べまくる(だって旨いんだもん)。
これが目当てでくる方も多いとか。


新鮮なクレソンは美味しい。なんどもお代わりしてしまった人は‥‥


くりきさん@クレソン番長。
耳に飾っちゃったりして、もうご機嫌。

朝が早かったし、酒も入ったこともあって、どっと眠気が襲ってきたkuroki。


宴会を途中で抜け出し、部屋に戻って寝ることにした。
5時に目覚ましをセットする。明日は恒例の朝練をする予定なのだ。

宴会組は、部屋に戻っても飲み続けたようだが、眠りに落ちたkurokiには知る由もなかった。
そして、裏磐梯の夜は、更けていくのだった。

本日のルート

ルートデキゴト
常磐道 守谷SA集合。
↓常磐道
常磐道 中郷SAgomiさん合流。
↓常磐道
↓磐越道
磐越道 磐梯河東ICariさん合流。
↓県道7号
↓国道121号
↓喜多方市街
まこと食堂喜多方ラーメン。
↓国道121号あんどーさん離脱。
道の駅田沢くらたさんに遭遇。
↓国道121号
↓県道2号
↓西吾妻スカイバレー
白布峠tatuyaさん、げんちゃんと合流。試乗会開催。
↓西吾妻スカイバレーげんちゃん離脱。
↓県道2号
ペンションラフィア宿泊。

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