土曜日の早朝。
やや混雑した関越道を逃げて、上信越道に合流すると、目に映る車の量がガラッと減る。
同時に、どんよりと曇った空も晴れ、爽やかな秋空へと変貌した。
気分が軽くなる。
アクセルを握る右手に、思わず力が入る。
今日はtrx850.jpの信州ツーリング。
10台以上のTRXが、信州に集結する予定になっているのだ。
10月の信州をナメていた
関越道高坂SAを出発した我々は、上信越道信州中野ICへ向かって走行する。
約200km程の道のりなのだが、一気に走り抜けるのはさすがに辛いので、中間地点の佐久平PAで休憩を入れることにした。
しかし、寒い!
早朝の上信越道は、標高が高いことも手伝って、かなり気温が低い。
きりっと晴れた秋空は、容赦ない冷気となって、バイク乗りを直撃する。
kurokiの格好は、Tシャツの上が革ジャケットという軽装だった。
防寒のインナーが入っているし、暖かすぎると眠くなる恐れがあるからと判断し、敢えて薄着で来たのだが‥‥読みが甘かった。
10月の信州をナメていたことを、痛感する。
寒さに震えたこと以外は目立った問題もなく、順調に信州中野ICに到着した。
しかし、信州中野ICを降りた直後、shin号にラジエータ冷却液の液漏れが発見される。
スタンドのおじさんを巻き込んで、応急措置。
全員集合
信州中野ICから10km程の距離にある道の駅「北信州やまのうち」。
ここが今回のツーリングの集合場所である。
集結した10人のTRX乗りは、次の面々だ(五十音順、敬称略)。
- Iida
- えびな
- おおつか
- くりき
- shin
- hirokubo
- やす
- ゆういち
- ゆに@YZF-R6
- yokoG
- kuroki
午前10時。
信州の空はクリアに晴れて青く澄み、湿度の低い爽やかな風が頬をなでる。
まさに絶好のツーリング日和だ。
メンバーを集めて軽くミーティングをする。
ルートの紹介、注意事項等の連絡、各自の自己紹介を行った後、10台のTRXは隊列をなして走り出す。
本日の目玉である、志賀草津道路はもうすぐだ。
ルート紹介
ここで、今回のルートを紹介しよう。
日帰りツーリングとしては、結構ハードな距離である。
ルート | デキゴト |
---|---|
高坂SA | 集合。 |
↓関越道 | |
↓上信越道 | |
佐久平PA | |
↓上信越道 | |
信州中野IC | |
↓県道29号 | |
↓国道292号 | |
北信州やまのうち | ここで全員集合。 |
↓国道292号(志賀草津道路) | |
↓万座ハイウェー | 最高に楽しい峠道♪ |
↓国道144号 | |
↓県道94号 | 荒れ荒れの峠道でヘトヘトに。 |
↓県道79号 | おおつかさん、くりきさん、ゆにさんが帰還。 |
↓県道4号 | |
湯楽里館 | 温泉タイム。 |
↓県道4号 | |
↓県道79号 | |
↓国道141号 | |
そば七 | |
↓国道141号 | やすさんとお別れ。 |
↓県道79号 | |
小諸IC | えびなさんとお別れ。 |
↓上信越道 | |
上里SA | |
↓関越道 | |
新座料金所 | 解散。 |
志賀草津道路
志賀草津道路は、かつての有料道路が償却期間を過ぎて無料開放された国道だ。
スキー・スノボ好きにはお馴染みの志賀高原を、横断するように走り抜ける。
まずはkurokiが先頭を走るのだが、今ひとつリズムに乗ることができない。
「ああしなきゃ」「こうしなきゃ」が頭の中を渦巻くばかりで、思い描く走りができない。
ああ、悔しいー。
kurokiのヘタれ走りを見かねた後続のえびなさん達は、早々にkurokiをパスし、そして早々に視界から消えていった。
志賀草津道路は、リズムも良く景色も良く走りやすい道路だが、いかんせん車の量が多い。
観光バスを先頭に、数珠繋ぎになった車の固まりが、あちこちに発生する。
抜いても抜いても、車の固まりに追いつくだけなので、途中からちんたら走る事に決め込んだ。
万座ハイウェー
志賀草津道路の途中で右に折れる。
万座温泉を抜けて、有料道路の万座ハイウェーに入る。
kurokiは万座ハイウェーを初めて走るのだが、噂通り、とても素晴らしい峠道だ。
交通量が少なく、道幅も広く、路面状態も良い。
スピードに乗って、バイクが曲がる感覚を存分に楽しめる。
ふっと倒れ込んだバイクに、ぐっと荷重をかけて、エンジンの鼓動を味わいながらコーナーを脱出する。
ああ、楽しいー。
気分よく走っているうちに、身体がほぐれたのか、徐々に走りのリズムが戻ってきた。
kurokiの前を行くえびなさんも、楽しそうにのびのび走っているのが、後ろから見て取れる。
いつまでも走っていたくなる、素敵な峠道だった。
雲が出ていなかったら、もっと気分が良かっただろうなぁ‥‥。
地蔵峠
万座ハイウェーの後は、国道144号を菅平方面に移動。
途中から左に折れて、地蔵峠を抜けるマイナーな峠道、県道94号に入った。
当初の計画では、交通量の少なそうなこの峠道で試乗会でも開催しようか、などと考えていた。
しかし、所々に砂が浮く神経質な路面や、バンク中のバイクを容赦なく揺らすボコボコの路面、1速で回るような非常にキツいコーナーが連続したため、もう一度走る気力はすっかり失せていた。
なんとか走り終えて、コンビニでほっと一息。
皆さんの顔にも、ありありと疲れの色が見える。
試乗会をする気分には、とうていなれなかった。
てなワケで、疲れを癒しに温泉へGO!
なお、おおつかさん、くりきさんはここで帰還していった。
少し遅れてゆにさんも帰還したのだった。
湯楽里館
前回の小諸ツーリングで行った、日帰り温泉施設
毎度同じ温泉施設で芸がないと言われそうだが、10台以上のバイクを引率する立場としては、既に行ったことのある施設でないと、運営計画が立てにくいのだ(言い訳モード)。
マスツーリングは楽しいイベントなのだが、小回りが効かない。
企画のネタを仕入れるために、たまにはソロ(or 少人数)ツーリングに繰り出そうと考えたりする。
ざぶんと露天風呂に身体を沈める。
緊張して堅くなった身体が、とろとろと熔けていく快感を味わう。
ああ、気持ちいいー。
やっぱり温泉は最高だ。
コレがあるから、ツーリングは止められないよなぁ。
ひとっ風呂浴びてまったりする、hirokuboさんとIidaさん。
この後すぐに、蕎麦を食べる予定なのに、それでもIidaさんはおにぎりに食らいつく。
「食い意地番長」の笑号はダテではない(笑)。
オレンジジュースを飲み干すゆういちさん。
kurokiはもちろんコーヒー牛乳ですよ。ええ、もちろん腰に手を当てて(笑)。
そば七
温泉の後は、恒例のそば七だ。
たまには違う蕎麦屋にしろよと言われそうだが、しばらくそば七の蕎麦を食べないと、禁断症状が出るのだ(笑)。
真偽のほどはともかく、kurokiにとっては、小諸と言えばそば七なのだ。
kurokiのワガママに、付き合ってもらうぞ、皆の衆。
揚げた蕎麦をつまみながら、焼き味噌に舌鼓を打つ。
程なくして、メインディッシュのせいろ蕎麦が到着した。
「kurokiさん、これ、旨い。」
蕎麦好きのやすさんは、開口一番こう言った。
ゆういちさんは、旨みのある蕎麦つゆに驚いている。
皆さんに満足してもらえたようで、ほっと一息の幹事なのだ。
暗くて怖い上信越道
山間部を走る曲がりくねった上信越道を、真っ暗闇に走ると恐怖だ。
幸い今日は、まだ日が暮れていないので、早々に退散する事にする。
小諸ICで、長野方面に向かうえびなさんとお別れ。
走り足りなかったやすさんは、一人峠道に向かっていった。
高速に入る。
ゆういちさんやyokoGさん達は、狂ったようなスピードで視界から消えていった。
追走するのが無理だと悟ったkurokiは、ちんたら走る事を決め込む。
関越道に入ってすぐの上里SAで休憩。
「一番飛ばすのは、あなたでしょ~」
と嘘くさい表情で、ゆういちさんが迫ると‥‥。
「いえいえ、それは誤解ですよ~」
と、やらせくさい表情でyokoGさんが答える。
なお、メンバーの総意により、yokoGさんの「G」は、「爺のG」ではなく「重力のG」であると決定した。
高速の掲示板は、所々で渋滞を告げているが、混雑したところはあっても、渋滞が始まる気配を見せない。
途中、所沢ICでshinさんが高速を降りていった。国道16号を通って相模原へと向かうそうだ。
結局、新座料金所まで、何のストレスもなく到着してしまう。
しかも、一番左側の二輪車専用レーンがOPENしていたため、料金所待ち行列をすり抜けて、あっという間に支払いを終えてしまった。ラッキー!
雨男は健在
新座料金所で皆さんに別れを告げ、kurokiとyokoGさんは外環三郷西ICへ向かう。
Iidaさん、hirokuboさん、ゆういちさんは練馬ICを降りていった。どうやら、彼ら3名はラーメンを食いに行くつもりらしい。
松戸の自宅に戻って、後片づけをする。
荷物をしまい、虫の死骸が付着したメットを清掃し、バイクもざっと水洗いする。
さてこれから駐輪場に入れようか思っていた矢先に、ぽつぽつと雨粒が降り出した。
やれやれ。
危ないところだったが、今回も雨の中を走ることなく、無事にツーリングを終えることができた。
部屋に戻って、ノートパソコンのフタをぱかっと開け、帰着報告を書き込む。
他のメンバーの帰着報告も確認すると、
Iidaさん達は豪雨にやられ、Iidaさん宅で雨宿り中だったことが判明。
やはり、雨男は健在だった。
巻き添えを食らったゆういちさん、hirokuboさん。ご愁傷様でした。
そして、えびなさんは‥‥高速道路で覆面クラウンの革張りシートに座らされたらしい。
1万5千円の座席料は、かなり居心地の悪いものだったようで(笑)。
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