2002年12月9日。12月にしては珍しく雪が積もった日。
kurokiの住む松戸で、飲酒運転のワゴン車が歩行者5人を死亡させるという、大変痛ましい事故が発生した。
飲酒運転の厳罰化が施行された後の事故。
しかも身近な場所で起きた事故。
今までの自らの振る舞いを、振り返らずにはいられなかった。
ツーリング先で、きゅっと冷えたビールの誘惑に負けてはイカンのだ。
自分は大丈夫だと思っていても、事故を起こしてからでは遅いのだ。
そんな当たり前のことを思い直すと、ふと田舎のことが脳裏をよぎる。
飲酒運転が常態化している地域、それがkurokiの田舎なのだ。
そこで今回は、田舎の飲酒運転事情について、述べてみることにする。
我が田舎の飲酒運転事情
kurokiの田舎である千葉県香取市は、車に依存した社会が形成されている。
もはや車無しでは大人としての生活が成り立たない、そう言っても過言ではないだろう。
高校を卒業して地元に就職した人間は、ほぼ全員、自分専用の車を購入する。
通勤はもちろんのこと、遊びに行くのも車を使うのが普通。
そして、飲みに行くときさえも‥‥。
都会の人には信じられないかもしれないが、田舎の居酒屋には駐車場があるのだ。
駐車場のない居酒屋は客が入らないという、残念な現実が存在するのだ。
キチンとしている人は、タクシーや代行で帰ったり、奥さんを呼び出して送ってもらう。
しかし、自分で運転して帰る連中が、依然として存在するのだ。
これが我が田舎の実情である。
他の田舎も、似たような状況ではないだろうか?
2002年 飲酒運転厳罰化
- 酒気帯び運転
- 懲役1年以下または罰金30万円以下
- 酒酔い運転
- 懲役3年以下または罰金50万円以下
同乗者も処罰の対象となる(※運転者が飲酒していることを知っている場合)。
4名同乗していた場合、罰金30万円×乗車人数4名=120万円の罰金。
この厳罰化の効果は絶大だったようだ。
警察庁のまとめによると、2002年の交通事故死者が前年より421人少ない8326人。現行の統計方式になった1966年以降で最少だったそうだ。
報道によると、外食産業などへの影響も大きかったそうだ。
- 繁華街での飲食店の売上が3~5割減
- 低アルコールビールの売上が急増
- タクシー、代行業者の売上が急増
しかし飲酒運転は無くならない
法改正後、地元の友達に「実情はどうよ?」と訪ねてみました。
すると、こんな答えが返ってきた。
Q:この辺の飲酒運転率は下がった?
大して変わってないと思う。特にこの辺は。
俺の気付く限り、飲酒の取り締まり検問が増えたとかって情報もないし、見たこともない。
Q:周囲の20~30代の人たちは、どうやって飲んでんの?
車で飲みに行ってんじゃないの?今まで通り。
あるいは、飲まない(or 飲めない)ヤツを誘って、そいつを「足」にして、割り勘で少し安めにしてやるって感じじゃないかな。
最近は、運転代行業が少しずつ幅を利かせるようになってきてるので、タクシーから代行に代わりつつあるかな。
次の日も車使うって人ばかりだし、飲み会の日は最初から車で出勤しないようにしてさ。
なんにしても、「駐車場のない飲み屋は潰れる」実情のこの界隈。
法は変わっても人は即座に変わらないものよ。
kurokiも先日、実家に帰ったとき、地元の寿司屋へ行ってきた。
他にも何組か客がいたが、なんと全員が、赤ら顔をしたまま車で帰っていった。
「法は変わっても人は即座に変わらない」ことを、改めて感じた次第。
ちなみにこの友達は、もっぱら自宅でバーボンを愛飲している。
「飲み屋でバーボン飲んだら、金がいくらあっても足らない」からだそうで(そりゃそーだ)。
会社帰りの一杯は
会社帰りの一杯を気楽にやれない車通勤の人たちに、同情することもある。
ですが、自分でハンドルを握る以上、アルコールを我慢する義務を負っているワケで。
飲みたい気持ちはわかるけど、やっぱり飲酒運転は「するな」としか言えない。
会社帰りの一杯は、自分でハンドルを握らなくても良い者の特権だ。
その代償として、特に東京では、朝晩の通勤ラッシュに耐える必要があるんだけどね(苦笑)。