「うわあぁーーー」
思わず声が漏れたものの、その後の二の句が継げなかった。
言葉を失う衝撃的な光景が、眼の前に広がっていた。
震災から1年以上も経つのに、未だにこんな状況だったとは…。
プランニング
SUGO祭り前日に、代休が取得できた。
前泊をするなら、どこを走って、どこに泊まろう?
と、しばし思案。
そうだ!
以前から「被災地の状況は、一度自分の目で見て確認したほうがいい」と、yokoGさんから言われていた。
せっかく東北へ行く機会だ。ちょっと北へ足を伸ばして、被災地の状況視察をするツーリングにしてみよう。
渋谷組二輪会経由で古いThinkPadを寄贈した、牡鹿半島へ行ってみるのもいいね。
でも、せっかくなら行くなら、最もセンセーショナルに報道されていた、陸前高田市へ行ってみよう。
早朝の6時半に、練馬の自宅を出発。
淡々と距離を重ね、東北道一関ICを降りたのが12時。
1時間ほど国道284号を走って、半日がかりで気仙沼市に到着した。
岩手の山中は、震災のことなど過去のことになったような、平和な光景が続いていた。
しかし、海沿いの「あるライン」を超えた途端に、状況が一変。
津波の爪あとが生々しく残る光景に出くわす。
そして、冒頭のように言葉を失ってしまうのだった。
気仙沼で見る、復興の胎動
ちょうどお昼時。お腹も空いてきた。
港の近くにあった「復興屋台村 気仙沼横丁」へ立ち寄った。
まぐろ亭の「まぐろ三色丼」にグッときたので、今日のランチはここにしよう!
ボリューム満点で、なかなか美味なマグロ丼だった。
こうした復興の胎動は、そこかしこから感じられる。
もう神妙な顔をしてはいけない。
これからは笑顔でないといけない。
実際に訪れると、そう思わずにはいられない。
それに比べて、福島第一原発事故の周囲は…考えるだけで絶望的な気分になってしまう。
いったいどれぐらいの期間、あの周辺を死んだ土地とするしかないのだろうか。
放射性物質の無効化技術が確立されない限り、ずっとずっとあのままか…。
被災しても、また始められない福島は、ホントに不幸だ。
陸前高田市
マグロ丼でお腹を満たしてからは、国道45号を北上。陸前高田市へ向かう
「路面の裂け目に注意!」という事前情報があったので、慎重に走行したのですが、拍子抜けするぐらい直っている。
日本の土木技術はすごいねえ。
山を下って陸前高田市に入ると、ここもまた荒涼とした、まるで北斗の拳的な光景だった。
解体を待つ建物。
埃っぽい空気。
視界いっぱいに広がる更地、あちこちにうず高く積まれた瓦礫。
ここはホントに日本かよ!?
と、また息を呑んだ。
広田半島を一周して考える
陸前高田の北にある、広田半島を一周してみた。
こちらは瓦礫の撤去がかなり進んでいると見られる。津波の爪痕らしきモノは、ほとんど目にしない。
しかし、良く見たら建物の中がぐっちゃぐちゃに壊れている公民館などがあり、ここにも相当な被害があったことを思い知らされる。
入り組んだ地形とそびえ立つ岸壁が織りなすリアス式海岸という地形。
バイクで走るなら楽しいのだが、津波が来たら、波は低い低地に一気に集まるんだろうね。
津波はよりいっそう大きなモノになってしまうのかも。
その一方で、あの大津波を防げるような防波堤を作るのも不可能だと感じる。規模的にも経済的にも無理な話だ。
昔からの言い伝え通り、高台や奥地に住むしかないのだろう…。
東北の快走路
陸前高田市を後にして、一関に向かって今泉街道(国道343号、県道19号)を走る。
車がほとんど通らない素晴らしい快走路。
先日、奥多摩を走ったときのようなペースで、ヒザを出さずにケツだけずらす走り方で、コーナーを駆け抜けていく。
一関ICから築館ICまで東北道でワープした後、国道398号、国道457号、県道253号、県道47号と快適なツーリングを楽しんだ。
鳴子温泉にある「東多賀の湯」が、今回のお宿になる。
東多賀の湯
「東多賀の湯」は楽天トラベルで高評価だった温泉宿だ。
ちょっと古めの施設だが、清潔に掃除されている。
温泉は源泉かけ流し。乳白色でほんのり硫黄臭がする「ザ・温泉」だ。
食事も一品一品が丁寧に作られており美味。
特に白米の美味しさが格別!
一泊二食付きで8,500円。この内容なら大満足なのだった!
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