[つぶやき] 動態保存

kuroki号は「動態保存」をテーマにしてカスタムをしている。
このことについて少し掘り下げて語ってみたい。お暇な方はお付き合いください。

なお、本投稿ではkurokiの現状の方針を述べているが、今も積極的にTRXのカスタムをされている方に横槍を入れるつもりはない。誤解なきようお願いします。

マシンに求めること

サーキット走行・ハイペースなワインディング走行・宿泊ツーリングをスマートにこなせる、質感の高い俊敏なマシン。

これを満たすマシンを、昔からずっと求めてきた。
マシンを乗り換えても、求めるものはブレずに変わらない。
今はセカンドマシンのMT-10SPでサーキット走行を行うが、TRXもサーキット走行Readyの状態に仕上げてある。

ただ、この方向を突き進めていくと、高次元なフレームや足回りを持つマシンを求めることになる。ざっくり言うとSSの走行性能だ。
TRXでこのレベルを求めるなら、OHLINSの正立フロントフォークとXJR1300の三叉を入れて、トラスフレームに補強を入れて、YZF750SPのスイングアームを入れて、軽量ホイールに替えて…などあちこちを強化することになる。

そして、はたと我に返るのだ。

だったらMT-10SPでやればいいじゃないか。
別にTRXで無理する必要ないじゃないか、と。

動態保存とは

久しぶりにTRXで走ると、MT-10SPとのレベル差に驚く。
パワーのないガサツなエンジン、ボヨンボヨンの足回りとフレーム、効力が逃げていくブレーキなど、技術の進歩とマシンの性能差を目の当たりにする。
そして、昔のマシンのレベルはこの程度だったことや、最新マシンの性能に助けられて走っていることに、改めて向き合うことになる。

ワインディングを走り込み、丁寧に荷重移動をしてコーナーをさばいていくと、次第に気持ちよくコーナリングが決まるようになり、そして思い出す。
そうだった、TRXは乗り手に厳しい要求をするマシンだった。荷重移動にメリハリをつけないと狙ったラインを走れないのだ。

コーナーの出口でアクセルを開けると、細かいビートが乗り手の身体を揺さぶる。
狙い通りのラインを描けて、ビートを感じながらコーナーを抜けられたときは、実に楽しい!心地よい!

TRXの楽しさは時が経っても色あせていない。
ただし、これを引き出すのは乗り手のライディング次第だ。
つまり、今どきのマシンにはない敷居の高さと、クリアしたときの充足感がTRXにある。

「楽しかったなあ、TRXは」と語るベテランライダーは意外と多い。だが、美しい想い出として補正されていることもある。
しかし、TRXを所有している我々は、TRXの良さも悪さも補正無しで体感できる。ある意味特権と言えるだろう。

TRXは発売から25年を経過し、もはや旧車の部類に入りつつある世代のマシンだ。
きちんと走るTRXを維持して乗れることは、とても価値があることだとkurokiは思う。
性能アップはもう求めない。調子よく走ってくれるだけで、もう十分なのだ。

「動態保存」とは、つまりそういうことだ。

具体的には調子のいい状態のTRXを、調子の良いまま保存しておきたい。
様々なメンテナンスの効果で、今のkuroki号はとっても調子が良い。ついつい笑みが溢れるほどに。

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