6年以上乗り続けたTRXは、経年変化であちこちのゴム類が硬化している。
特にラジエータホースは顕著だ。膨張していて弾力もなく、一見してヤレてるなと判る。
ゴム類は、そろそろ交換するしかないだろう。
ただ、交換作業にはそれなりに手間がかかる。
ラジエータホースを交換する場合だと、クーラント(冷却液)を抜き取り、ラジエータも取り外すことになるワケだ。
結構な重整備になるため、数日間のドック入りが必要になるだろう。
Y’s FACTORYのよねさんと相談した結果、冬のシーズンオフを待ってドック入りすることにした。
1月30日
Y’s FACTORYにkuroki号をドック入りさせる。
今回依頼する作業の内容は、次の通り。
- 各種ゴム類の交換
- ラジエータホース、前後ブレーキホース。あとヤバそうなところ。
- なお、フロントブレーキホースに関しては、YZF-R1純正ホースを流用する(MOS装着のため)。
- MOSキャリパーのオーバーホール&装着
- ブレーキホースの交換と同時に、wakaさんから譲っていただいたMOSキャリパーを装着する。
- 中古キャリパーなので、オーバーホールを行い、各種シール類を新品にする。
- また、キャリパーピストンを新型のアルミ製に変更(5PW-W0057-00)。
- フロントマスターシリンダー交換
- MOS装着に伴い、YZF-R1(’04)用の純正マスターシリンダーに交換(5VY-W2587-00)。
- トータルレシオを変化させないことが目的。
- また、ラジアルポンプ式のマスターシリンダーは、レバー作動量を十分確保できるため、コントロール性が向上すると言われている。
- タイヤの交換
- 前後タイヤをミシュランのパイロットパワーに交換。
- サイズは変更無し。
- リアブレーキローターの交換
- リアブレーキローターが波打ってヤバい状態なので、新品に交換する。
- スパークプラグ交換
- 今まで通り、DENSOのイリジウムプラグにする。
- 油脂類交換
- ホース交換に伴い、クーラント、ブレーキフルードも交換する。
- 同時にエンジンオイルも交換してリフレッシュ。
kuroki号を預けてから、よねさんから作業の連絡報告が入る。
ラジエータホースの新旧比較。
左がテカテカと光る中古品ホース。右がヌラッと光る新品ホース。
使用済みのクーラント。ゴミ浮きまくり‥‥。
サーモスタットの内部が錆び錆びになってる!
キレイキレイにしてもらいました。
スパークプラグが大変なことになってる!
1番気筒が真っ黒、2番気筒が真っ白。キャブセッティングの見直しが必要かな。
2月5日
kuroki号を引き取りに行く。
YZF-R1(’04)のマスターシリンダー。ラジアルポンプ式、通常「ラジポン」が装着されたkuroki号。
MOSキャリパーもバッチリ装着。
松戸へ戻る道すがら、リフレッシュしたkuroki号の乗り味をチェックする。
エンジンオイルの交換直後なので、しゃっきりと気持ちよく回る。
プラグを新品にしたことも効いているのだろう。
なにしろ、1番気筒が真っ黒、2番気筒が真っ白という状態だったから。
カーブに差し掛かった。すっとTRXをバンクさせる。
な、なんじゃこりゃ!変化したフィーリングに驚いた。
バンキングが異様なまでに軽い。吸い寄せられるように寝ていく。
バンク中は、待ってましたと言わんばかりの安定感で、するするするっとバイクが曲がっていく。
直立しているよりも、バンクしている方が車体が安定している。そんな不思議な感覚を味わったのは、このタイヤが初めてだ。
噂に聞く、パイロットパワーの威力。
実際に体感してみて、yokoGさんらが絶賛するワケがよーく判った。
ああ、早く峠やサーキットに持ち込んでみたいのだが、悲しいかな、今のkuroki号は走り込み厳禁なのである。
リアブレーキに、踏み応えが感じられないのだ。
奥まで踏み込んでも、くにゃっとしたフィーリング。通常感じられる反力がない。
本来なら、もうしばらくドック入りを続けるところなんだが、いじくりオフが明日に控えているため、無理をおしてkuroki号を引っ張り出した次第。
よねさんにはイロイロと調べてもらったが、正確な原因は掴めないまま。現象から察するに、片側のピストンが内部で引っかかって出にくくなっているようだ(エア噛みではない)。
しかし、車体から外すとピストンがちゃんと動くのに、組み付けるとダメになるってのは、どういうコトなんだろう‥‥?
結局、フロントブレーキのみで帰ってきたワケだが、皮肉にもフロントの改善ぶりを堪能することになった。
アタリが出ていない新品パッドなので、制動力はこれからだが、タッチは劇的に改善した。
柔らかく、そしてコントロールしやすい。
制動力の立ち上がる段階が増えたとでも言おうか。
例えば、今までのTRX純正システムが、OFF、チョイがけ、ONの3段階ぐらいだったとする。
今回のR1流用システムでは、OFFからONまで10段階ぐらいある感じだ。
極めて扱いやすいブレーキに仕上がった。
しかし、イマドキの純正ブレーキは、ここまで扱いやすく進化していたとは、つくづく感心する。
ちなみに、今日のランチもとり釜飯だった。
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