HMSで揉まれてみる

Y’s FACTORYのお誘いで、Hondaモーターサイクリストスクール(HMS)の「中級ベーシック1day」コースに参加した。
公道を楽しく安全に走る技術を学ぶためのスクールで、警察が主催する講習会と趣が近い。
クローズドコース内での練習に飢えていたkurokiなので、喜び勇んで参加することにした(んな、大げさな)。

梅雨真っ最中なので天気は心配だったが、どうやら杞憂に終わりそうだ。
当日の天気は快晴。天気予報も今日一日は雨の心配は無いと言っている。
早朝は陽気は爽やかだったが、日中は気温が上がりそうな予感がする。

着替えは必須だな、こりゃ。

御前山

Y’s FACTORY前に午前7:00集合だったが、kurokiは会場のツインリンクもてぎへ直行することにした。

三郷から常磐道に入り、一気に水戸までワープする。
水戸ICで降り、県道52号、国道123号を通って、御前山経由で茂木へと向かった。


御前山は、かつてkurokiのショートツーリングメニューの定番の場所だった。
懐かしさのあまり、つい脇道に入ってみたくなる気持ちをぐっとこらえる。後で思う存分走れるのだからと、自分に言い聞かせつつ、道の駅かつらで朝食休憩。

パンをぱくついている時に、オジサンに話しかけられて、ちょっと閉口する。
田舎に行くと、妙にオジサンに話しかけられる。やっぱ、バイク乗りたいのをガマンしてるのか?


ツインリンクもてぎのアクティブセーフティトレーニングパークに到着したのが、9:30頃。


30分ほどして、Y’s FACTORYご一行様も到着した。
受付を済ませると、2Fのミーティングルームに通された。

レッスンのマシン選定

HMSスタッフから、本日のレッスンの概略や注意事項の説明が行われた。

午前は急制動などのブレーキ系を中心に。
午後はパイロンを使ったスラロームを行うそうだ。

バイクは、以下のいずれかの車種を借りて、一日のレッスンを受けることになる。

  • HORNET 250
  • CB400 SuperFour
  • CB750
  • CB1300

CB1300かCB750のどちらにするかで迷ったが、結局CB750を選択した。
車重やパワーがTRXに近いマシンの方が、参考になると考えたからだ。

午前の部


まずは、準備体操から午前の部開始。


おいっちにーさんしー。身体をほぐさないと怪我するからね。


コース内を慣熟走行した後、ブレーキのロックについてのレッスンが行われた。

ブレーキがロックしたらどうなるか、回避するにはどうするかを体験するのが、このレッスンの目的だ。
実際、フロントがロックした経験は無いので、こういうレッスンは有り難い。

フロントロックさせるには、20km/hちょいの速度を出してから、ガツンとフロントレバーを握る。
クラッチレバーを同時に握っておかないと、エンストして立ちゴケする可能性があるので注意。

最初の数回は失敗。ロックせずに止まってしまう。
結構ガツンとかけたつもりだったが、まだ足らないみたい。

今度は思いっきり握ってみた。
きゅわー、とフロントからヤバい音がした。
おーし、ロックしてる。
そう思ったら、すぐにブレーキレバーをリリースする。


リアロックは、結構簡単。
ガン、とブレーキペダルを踏んづけてやれば、いとも簡単にロックする。

急制動のレッスンも行われた。
60km/hぐらいで走行し、出来るだけ短い距離で止まるってヤツだ。
今回は、指定された制動距離で停止するレッスンも行われた。力の入れ具合が、結構難しい。


「わーい!」とはしゃぐよねさん。後ろはkuroki。


ぶはー!終わったぜー!

スイートルームでランチ


昼飯は、HMSが用意した折り詰め弁当を、なんと、ツインリンクもてぎのスイートルームで食べる。
メインストレートを眼下に見下ろすこのお部屋は、GPなどの国際級のレースの時だと、ウン百万も積まないと入れないとか。

真偽のほどはさておき、確かにコースは良く見える。景色も抜群だ。
施設もキレイだし、弁当もなかなか旨い。

HONDAの施設でHONDAが主催するレッスンだから、昼食時にスイートルームを貸すぐらいワケないことだろう。
受講者から受ける心象は、好感度アップ確実だろうし。
そして、継続的にHONDAにお金を落としてくれる‥‥と。

いやはや、上手い商売だ。
実際kurokiも、ちょっとだけHONDAのバイクが欲しくなってしまった(笑)。

午後の部


午後からはコースを移って、パイロンスラロームのレッスンが行われた。
パイロンをいくつも立てて、そこをショートコースに見立てて走るのだ。
大きさ的には、今はもう無い筑波東コースに近い。ミニバイク用のコースのようだ。

サーキットと違うのは、追い越し禁止であることだ。
そのため、前を走るバイクに追いつかないよう、時間差でスタートすることになる。
遅い人が前を走っていれば距離を開けてスタートし、早い人が前ならさっさとスタートするため、技量に自信のない人でも、安心して自分のペースで走ることが出来るシステムになっている。

まずは、インストラクターを先導に、5周ほど集団走行してコースを覚える。
単独走行が始まり、自分のペースで走るようになると、忘れていた昔の感覚が甦ってくる。


そうだ、そうだ。kurokiはこういう走りが大好きだったのだ。
ある意味、kurokiの原点と言えるかも。生き生きと走り回る。

昔、XJR400に乗っていたとき、浦安の鉄鋼団地の空き地でジムカーナのまねごとをして遊んでいたことがある。八の字走行を10分間続けてみるとか。
とにかく、暇さえあれば走りに行っていた。

その訓練のお陰か、限定解除は一発で合格。
すぐにリッターマシンXJR1200に乗り換えちゃったのだが、重すぎる車重のせいで、こういう走りがちっとも楽しくなくなってしまった。
TRXになると、低速がギクシャクするし、ハンドルの切れ角も少ないので、ますます面白くなくなった。


しばらくジムカーナ的な走りから遠のいていたのだが、やっぱり楽しい。めっちゃ楽しい。
自分自身を取り戻すみたいな感覚っていうのかな?ホントに生き生きと走り回った。


1時間半ほど走ってから、休憩を挟んで、残りのレッスンに入る。


インストラクターに追走してもらって、自分の走りをどう直すべきかをチェックしてもらうのだ。


kurokiはインストラクターに次のような指摘を受けた。

「一言で言うと、バイクを寝かしすぎです。
 もっとバイクを起こしたコーナリングを心がけましょう。
 バイクが起きていたら、加速やブレーキングをもっと安定して行えるようになります。
 パイロンをめがけてブレーキングするのではなく、バイロンの真横に来たところでブレーキングして、くるりと回れるようになれば、もっと速く走れるようになりますよ。」

むむー、勉強になるなぁ。
自分の走りは、他の人に見てもらわないと、どこを直したらいいかはわからないからねぇ。
次のステップへの課題がわかっただけでも、HMSに参加した甲斐があるってモンだ。

でも、言われたことが簡単にできれば、苦労はない。
イロイロと工夫して挑戦してみるのだが、今ひとつピンと来ない。リズムに乗れないのだ。
キッカケを掴むまでは、継続的に走り込む必要があるなぁ。

マシンチェンジ

周回ごとに、皆とバイクを交換して遊んだ。

まずはCB1300に乗ってみたが、重い。
とにかく重い。振り回すのが難しいので、ちっとも楽しくない。
XJR1200と全く同じだなな、こりゃ。
でも、パワーは凄い。くっ、とアクセルを捻れば、簡単にバイクが起きて、スピードが乗る。
1周でイヤになって、コレに乗っていたよねさんに突っ返してしまったが(笑)。

次は、CB400 SuperFourに乗ってみる。
わはははは、と笑っちゃうぐらいに軽い!
とにかく軽いので、振り回すのがとても簡単にできちゃう。スゲーよ、コレ。
でも、パワーが無い。CB750に比べたら、一回りトルクが細い。
必然的に回し気味になるワケだが、このマシンのエキゾーストは、なかなか官能的な音がして気分よろしい。
日本の公道を走るなら、これぐらいのマシンの方が楽しいかもなぁ。
でも、もうちょっとパワーは欲しいかも。


そして、CB750に戻ってみる。
外見は、全く色気のない野暮ったいバイクだが、実に乗りやすいバイクなのだ。
エンジン特性はスムーズで、低速トルクも必要十分。ブレーキも良く効くし、車重も程々で扱いやすい。
一言で表現するなら、「ザ- 中庸バイク」。
実にグッドバランスなバイクで、この乗り易さに驚いた人が続出した。

レッスンで得たもの

4時になり、全てのレッスンが終了した。
ミーティングルームに戻って、シメの挨拶をして解散となった。

実は、いろんな面で行き詰まりを感じていた今日この頃。
仕事にしてもそうだし、バイクにしてもそうだ。
そんなkurokiにとって、今回のHMSは程良い刺激となった。

好きなバイクだからこそ、もっともっと上達したい。
でも、公道を漫然と走っているだけじゃダメだろう。
目的意識を持って、練習できる環境に身を置いて、絶えず練習しなければ、これから上のレベルは望めないと思った。

絶えず自分に何かをインプットしないと、自分からアウトプットできるモノが枯渇しちゃうよね。
などと思いつつ帰路に就いた。

イロイロと思い悩む年頃なのです(苦笑)。

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