フルカウルTRX制作記 by Iidaさん

FZR1000のフルカウルを、TRXに装着してしまったIidaさん。
その悪戦苦闘の顛末を、Iidaさん自身に寄稿していただいたので、ご覧くださいませ。

構想開始


きっかけは、TRX-MLオフミ(2001/05/07)でお会いした、ゆにさん&も~なさんのTRXでした。
(白の真ん中2台が、ゆにさん&も~なさんのTRX)

「あれ?この2台はライトが替わってるぞ」

このときに初対面だったゆにさんに色々とお話を聞いてみると、90年前後のFZRシリーズのヘッドライトは、TRXにボルトオンとのこと。
あまのじゃくなIidaはこのときにピンときてしまったのです。

「じゃあ逆に、TRXにはFZRのカウルがつくのかな‥‥?」

と、密かに企み始めていたのでありました。

パーツ選定

さて、FZRには、250 / 400 / 750 / 1000といったバリエーションがあるのですが、どのカウルを流用するか検討せねばなりませぬ。
まずは車格の問題から、250は×。ちょっと小さすぎてつきそうにない。
それから750のライトは、TRXと同形状ではなく、今のライトが使えないので、これも×。
残るは400と1000です。

400はヤフオクのパーツ出品数が多いので手に入りやすそうです。
ひとまず400で捜そうと思い、改めてネットで情報を集めてみました。
するとFZR400のアンダーカウルをTRXに装着されている方のサイトにたどりついたのですが‥‥。

「う~ん、どうも私の趣味とは合わない‥‥。」


消去法ではありましたが、流用車種はFZR1000(3GM)に決定!

パーツ入手

とはいうものの、3GMのFZR1000なんて登録台数がもともと少ないから、なかなか中古品がでてきません。
ちなみに新品っていくら?と思い調べたら、アンダーカウルの片側だけで54,700円もするし‥‥。


気長に待っていると、ヤフオクで新品のアッパーカウルが15,500円、中古のアンダーカウルが左右8,000円で手に入りました。合計はわずか25,500円でした。
果報は寝て待て、もといカウルは寝て待て、ですね。

これでやっと実行に移せます。

予想外の事態

FZR1000のアッパーカウルをTRXに合わせてみます。
当然ヘッドライトは、ばっちりボルトオンでした。
が、バックミラーの取り付け位置が、TRXのカウルステーとFZRのカウルでは合わない‥‥(冷汗)。

しょうがないのでFZR1000のカウルステー(新品)を約10,000円で購入。
購入したカウルステーをTRXのヘッドブラケット部に取り付けようとしてみると、今度は、

「あれ?センターがズレてる。」

そうです。
TRXのカウルステーは取付け部がセンターから左側に2cm程オフセットされているんです。
FZR1000用は見事にド真ん中。これではカウルが右側にズレてしまいます。

「うわあ、どうしよう‥‥。このままじゃ無理だ。」

背中に嫌な汗が流れるのを感じました。

困り果て、インターネットで溶接加工を請負ってくれるようなところを捜しました。
で、見つかったのが、何と自宅から2~3kmのところにあった清水工業所さん。
こんな近所で見つかるとはラッキーでした。

社長の清水さんと思考錯誤を繰り返し、ステーの取付位置を左に17mmオフセットし、前後位置も20mm程前に出してもらいました。
しかしこんな事をやってもらえるとは、どんなカウルでもついてしまいそうですね、こちらの工場のお世話になると。


赤枠で囲んだ部分が、溶接してもらった新しい取り付け部です。
ノーマルの取付部は、一度サンダーで切落とし、新たにステーを継足して溶接しています。

取付ステー製作

肝心なところはプロにしてもらったので、後はトーシロの私でも大丈夫です(笑)。
次はアンダーカウルの取付ステーの製作です。

カインズホームで、ステンレスのステー1mを4本購入しました(1本約1,000円)。
アンダーカウルを仮組みし、取付位置の寸法を測定して、ステーの製作開始です。

  1. 電動ドリルでステーに穴を空ける。
  2. サンダーで必要な長さ寸法にカット。
  3. バイスにはさみ、ハンマーで叩いて、必要な形状に曲げ加工。
  4. グラインダーでバリを除去。
  5. トーチで焼き入れし、強度を確保する。
  6. 耐熱塗料を塗る。

を繰り返します。
最初に穴を開けてからサンダーで長さをカットするのは、熱が加わると焼きが入って硬くなってしまい、穴が空けづらいためです(ステンレスでも焼きって入るんですね)。
計6個製作しました。


ヘッドブラケットへの取付位置が、右側に補正できました。


アンダーカウルの取付。前側の取付はラジエータのステーと共締め。


後側の取付はエンジンのステーと共締め。
写真が無いですけど、カウルの下側にもステーがあります。

組付け完了

というわけで全て組付けることができました。


後は横浜のペイントショップ、プロフィットさんにオールペンを依頼し、完成を待つだけです。
ここまでくるのに、なんと3ヶ月もかかってしまいました。

「ああ、疲れた‥‥。」

後は塗装の仕上がりを待つだけです。
はたして、皆さんの評価はいかに?

コメント