以前、XJR1200に乗っていたとき、ヨシムラのフルエギゾーストマフラーを装着していた。
軽量化の恩恵が効いて、かなりひらひらと、軽快に操れるようになった。
それ以上に、ルックスが向上。排気音での自己主張も強くなり、虚栄心も満たされたように思う。
当時はそれでも良かった。十分満足していたから。
若干中低速でのトルクが薄くなっても、元々有り余るトルクを持つマシンゆえに、大した問題にはならなかった。
そしてある時、初めてサーキット走行を体験した。
リッターバイクで、マフラー付け替えて、キャブにバクダンキット入れた我がXJR1200は、峠ではそこそこのペースで駆け抜けることが出来ていたつもりだった。
しかし、筑波サーキットでは、400ccのノーマルFZにぶち抜かれる始末。
相手は国際A級のヤマハのファクトリーライダー。かなわないのは当たり前なのだが、結構ショックを受けた。
井の中の蛙だったことを、痛感した。
その後TRXで、筑波東コースの走行会に参加した。
ノーマルのマフラーだって捨てたもんじゃない。回すと、かなりイイ音がすると、素直に思った。
更にこの日は、別のTRXも走っていた。OVERのマフラーに加えて、FCRも入れてある、実に羨ましいカスタムマシンだったが、残念なことに遅かった‥‥。
筑波サーキットでぶち抜かれた、あのときの想いが脳裏に浮かんだ。
吸排気系の優先順位
カスタムの基本はマフラーだという風潮がある。
バイク雑誌を開いてみても、マフラー紹介ページのオンパレード。カスタム記事とかでも、真っ先に交換するのがマフラーだったりする。
果たして、本当にそれは正しいのだろうか?
街で見かけるバイクには、音だけ景気いいのが結構多い。
だけど、他はボロボロ。タイヤの溝は減ってるし、チェーンは伸びたまま。
オイル交換だってやっているかどうかも怪しい。ブレーキフルードやフォークオイルなんて言わずもがな。
そういうのを見るたび、マフラーから先に交換する風潮に対し、「ちょっと待てよ」と言いたくなる。
バイクが走るには、まずタイヤがちゃんとしてなきゃ。
走る、止まる、曲がる。
全ての行為は、タイヤを通して行われる。
その次には、確実にバイクを止めるためにブレーキを。
更に、走行中の姿勢を安定させるサスを、キチンと動かさなければならない。
それから先じゃない?吸排気系は。
何のためにカスタムを
kurokiはバイクを「道楽」として乗っている。
自己満足を得るためだけ、と言い切ってもイイくらいだ。
峠を攻め込むのも、サーキットで腕を磨くのも、他ならぬ自分のため。
バイクをカスタムして綺麗に仕上げるのも自分のため。
そして、排気音をたてて走るのも、走っている実感を得たいがためなのだ。
とはいえ、小僧のように、単にやかましいだけのマフラーはイヤなのだ。
周囲にあまり不快感を与えず、しかし重厚な大人のサウンドが望ましい。
そして、走っている当の本人が、疲れないことが重要。
ま、本音言っちゃうと、キレイゴトはどーでもイイ。
自分が格好いい、気持ちいい。そう思えるコトが最大のポイントかな。
まとめ
現在は、今まで書いてきた考え、想いが交錯している。
もっと上手くなるまでマフラーはお預けか、それとも足周りやブレーキの強化の済んだ今のTRXなら、導入しても良いか。
はたまた、革ツナギなどのウェア類の充実に走るべきか‥‥。
悩みどころである。
ただ、この原稿を書いている今は、そんな言ってられる状況じゃあなかったりする。
バイクより先に、全自動洗濯機や冷蔵庫だもの(苦笑)。