trx850.jp裏磐梯オフ(前編)

trx850.jp裏磐梯オフは、7月19日~20日に開催する予定だった。
今年は梅雨が長引いてしまい、その日程は雨が降ることがほぼ確実の予報だった(実際そうなってしまったが)。

峠天国・磐梯山へのツーリング。
雨になるってことは、楽しい峠走りが一転して苦行走行になるってことだ。
温泉入って酒飲んでラーメン食って帰ってくる「旅行」に成り下がるワケか‥‥。

できれば延期したいのだが、今回は宿を確保している関係上、日程変更は難しい。
キャンセル料が発生してしまうし、宿の再確保も大変だ。
参加メンバーのスケジュール調整も、頭の痛い問題だし。

雨天決行すべきか、延期すべきか、さんざん悩んだ。

紆余曲折の末、同じ宿で2週間延期と相成った。
ペンションラフィアさん、大変ご迷惑をおかけしました。

晴れゆく雲と気分

8月2日(土)、午前7時半。
東北道佐野SAを出発したkuroki達の視界には、鉛色の重たい曇天が、どこまでも果てしなく続いていた。
走っても走っても、今にも降り出しそうなヤバげな雲は、まるで途切れる気配を見せない。
それどころか、

「この先、雨。路面注意。」

絶望的な表示が、電光掲示板に現れる始末。

ハッキリしない梅雨空とは、昨日でオサラバしたハズだったのに、これじゃあ2週間延期した甲斐がない。
kurokiはガックリと肩を落とした。


那須高原SAで、他のメンバーと合流し、集合地点の福島西ICを目指す。

福島県に入ると、天候はガラリと一変した。
鉛色の雲が取り払われ、気持ちの良い青空が現れたのだ。

沈んでいた気分が、急速に回復するのを感じる。
心のつかえが取れたような、晴れやかな気分になる。
福島西ICを降りて、集合地点のセブンイレブンに到着する頃には、日差しは真夏のそれになっていた。

ツーリングの楽しさは天候に大きく左右されると、つくづく思う。
劇的に回復した天候に、メンバーの気分は否応なく高まる。

さーて、これから楽しい峠道。
ガスを満タンにして、出発進行!

本日のルート

ここで、本日のルートを紹介しよう。

ルート デキゴト
福島西IC 集合地点。
↓磐梯吾妻スカイライン
浄土平パーキング tatuyaさん合流。
↓磐梯吾妻スカイライン
↓県道70号
↓国道115号 Iidaさん迷子になる。
↓磐梯吾妻レークライン
中津川レストハウス ミーティングを行う。
↓磐梯吾妻レークライン おおつかさんとお別れ。
↓国道459号
喜多方 坂内食堂で喜多方ラーメン。
↓国道459号
道の駅裏磐梯 TRX試乗会開催。
↓国道459号 かつやさん、shinさんとお別れ。
↓県道2号
ペンションラフィア 宿泊。

地元福島在住のHAL900さん(TRX-ML)に教えて頂いたルートをベースにしている。
HAL900さんには、この場を借りてお礼を申し上げたい。

磐梯吾妻スカイライン

まずは、最初の峠道。磐梯吾妻スカイラインに入る。
フリー走行となったが、kurokiがペースメーカーとなり、先頭を走った。
kurokiの後には、ゆういちさんとおおつかさんが続く。

久々の峠道だ。
6割程度のペースで調子を見ながら、徐々にペースを上げていく。

路面状態は悪くない。程良い曲率の快適な中低速コーナーが続く。
土曜日だというのに、交通量が少ない。遅い一般車につかまることが少ないので、快適なペースを維持できる。

森林を抜けるルートを駆け上がっていくと、急に視界が開け、一面のガレ場に変貌する。
火山性の有毒ガスが噴出している影響で、植物が育たず、森林限界を超えてしまったような光景になるのだ。
ダイナミックな景色の変わりように、思わず感激してしまう。


浄土平の有料駐車場で休憩していると、tatuyaさんが少し遅れて到着した。
今回のツーリングメンバーは、これで全員揃ったのだ。

浄土平からは基本的に下りになる。
例によって先頭はkurokiが、最後尾はIidaさんが走る。

走り込めるツーリングの前には、ライテク本などを見て事前にイメージトレーニングするkuroki。
今回も、頭にたたき込んできた情報を実践しながら走っているつもりなのだが、悲しいかな、身体は思う通りに動いてくれない。
自分の走りにフィードバックする方法が、今ひとつわからないのだ。

迷いながらの走行は、kurokiの直後を走っていたtatuyaさんに、ズバリ見抜かれていた。
走行中のkurokiは知る由もなかったが、後で嬉しい結果をもたらすことになる。

磐梯吾妻レークライン

磐梯吾妻スカイラインを走り終え、県道70号を経由して、磐梯吾妻レークラインへと向かう。
国道115号に合流したところで後続を待つのだが、最後尾のIidaさんだけが、いつまでたっても来ない。

Iidaさんに連絡を取る。
「国道115号にいる」と告げると、Iidaさんも「国道115号にいる」と言う。
一体どこから国道に入ったんだ?

地図を確認すると、県道70号から国道115号への入り口は2つあることが判明。
Iidaさんだけが、別の入り口から国道115号に入ってしまったワケだ。

猪苗代方面へ向かうように指示し、約10分ほどのロスで、迷子のIidaさんを回収した。

磐梯吾妻レークラインは、秋元湖と小野川湖沿いを走る有料道路だ。
路面は若干荒れているが、程良い曲率のコーナーが延々と続く。
時折見える湖や磐梯山の展望が美しい。
景色も良ければ走りも楽しいご機嫌なルートなのだ。

身体もだんだんほぐれてきた。
鼻歌を歌いながら、気分良くコーナーを駆け抜ける。

中津川レストハウス

レークライン中程にある、中津川レストハウスに入り、休憩タイムとする。

kurokiはレストハウス前で売られていたトマトを丸かじりする。
tatuyaさんは、甘そうな桃を丸かじりする。

旨い。

ちゃんとトマトの濃厚な香りがする。
湧き水に付けられていたトマトは、程良く冷たくて旨い。
コレで1つ100円は、かなりお買い得だと思った。

ついでに、昔ながらの瓶ラムネを飲んだりして。
旨いというよりも懐かしい味だ。

チープな食べ物だが、急速に幸せな気分になっていく。
あー、ツーリングに来て良かったと、しみじみ思う瞬間だ。

全員集合

中津川レストハウスの駐車場では、ミーティングと称して、参加者の皆さん(五十音順、敬称略)に自己紹介をして頂く。

  • ari@青TRX
  • Iida@FZR1000フルカウルTRX
  • おおつか@白黄TRX
  • かつや@タイラ8耐カラーTRX
  • shin@青TRX
  • tatuya@黒TRX
  • ゆういち@TDMR40仕様TRX
  • みつおき@OVERフルカウルTRX
  • kuroki@FCR39仕様TRX

今時、敢えてTRXに乗る人たちだ。
皆一様に、濃い(笑)。

喜多方ラーメン

皆さんと談笑を楽しんだ後は、ちょっと遅めの昼食を食べに、喜多方へと移動する。
もちろん目的は、喜多方ラーメンに決まっている。
実はkurokiにとって、本場の喜多方ラーメンは初体験だったりする


残念ながらここで、おおつかさんは千葉の自宅へ戻ることになった。

途中、今晩の宿であるペンションラフィアに立ち寄る。
荷物を置かせてもらい、喜多方市内の地図とラーメン屋情報を仕入れた。

裏磐梯から喜多方へ降りていくと、この夏一番の暑さはピークを迎える。
今までは高原の爽やかゾーンだったが、今は盆地の市街地。
午後3時を回っても、降り注ぐ日差しは衰えない。体中から汗が噴き出る。


それに道に迷う。
病院の前でこんなことしてるんで、警備の人が不審そうにコッチを見ていたよ(苦笑)。

なんとか宿のオススメラーメン屋「まこと食堂」に到着したものの、既にスープが終わっていた。
仕方ないので、Iidaさんオススメの「坂内食堂」で食べることにした。


ココのイチオシは「肉そば」らしいが、kurokiは一番スタンダードな「中華そば」を注文する。
香ばしいチャーシューと、醤油ベースの澄んだスープが旨い。kuroki好みのラーメンだ。

Iidaさんは、地方の方が旨いラーメン屋が多いと言うが、kurokiも同感だ。
東京では、醤油スープは濃厚なモノが多い。豚骨が混ざっていたり、濃いめの醤油を使っていたりと。
kurokiは透き通るように爽やかな醤油スープが好きなので、坂内食堂のラーメンはもろ好みだったりする。

やはり、水の旨いところの食べ物はイイよなぁと思う。

喜多方ラーメンに舌鼓を打った後で、日帰り組のshinさん、かつやさんとお別れした。
宿泊組6名は、裏磐梯の宿へ戻るとする。

当初の予定では、米沢を回ってから、西吾妻スカイバレーを走るつもりだった。
時間がおしていることと、早めにひとっ風呂浴びたい気分だったので、今来た最短ルートを戻ることにした。

喜多方から裏磐梯へ向かう国道459号線は、気分の良くなる快適な道だ。
緩やかな曲率のカーブが延々と続く高速コーナー主体の峠道を、Iidaさんを先頭に駆け抜ける。

途中、宿まで後10分ほどのところにある、道の駅裏磐梯へ立ち寄る。
明日走行する予定の、磐梯山ゴールドラインの割引券を購入するつもりだったが、二輪用の割引券は扱っていなかった。残念。

さて、と。
このまま宿に帰るには、ちょっと早い。
となるとアレかな?

即席TRX試乗会の開催でしょう。

ゆういち号試乗

まずは、ゆういちさんのMIKUNI TDMR40ファンネル仕様車に乗せてもらった。
kurokiのKEIHIN FCR39]仕様車とどう違うのか、興味津々なのだ。

エンジンのパワーが問われる長い上りコーナーで、アクセルぐいっと捻ってみる。

驚いた。
めっちゃパワフルだ。どかんと爆発するようなトルクに戦慄を覚える。
RAMAIRフィルターが装着されているとはいえ、さすがはファンネル。
キゅぃぃぃぃぃぃという吸気音と共に、狂気の加速を見せる。

ホントにこれが、同じTRXか?
などと驚く暇もなく、目前にコーナーが迫る。迫る。

身体をイン側にオフセットして、ブレーキングを敢行。
みるみるうちに車速がドロップする。
リーンの開始ポイントまで引っ張るつもりだったが、目前で車速が落ちきってしまった。
MOSキャリパー+RC51マスターの効果に驚かされる。

気を取り直して、次のコーナーではブレーキングポイントを遅らせてみる。
柔らかいタッチだが、凄まじい制動力。
いわゆる「かっくんブレーキ」ではなく、メーカー純正のような優しいフィーリングだ。

正直、このブレーキには参ってしまった。
実に素晴らしい(あーんど、欲しい)。

だが、ポジションに関しては、kurokiの好みではなかった。
バックステップと低めのシートで、ヒザ周りがちょっとキツめになる。
もう少しハンドルの位置を下げた方が、バシッとハマると思った。

Iida号試乗

お次は、Iida号を試乗した。
お花見撮影ツーリングの時は高速道路を試乗したが、今回は峠道だ。

コレもまた、別モノのTRXに仕上がっている。
カウルを換えるだけで、これだけ印象が変わるんだなと、改めて思う。

ツアラー志向に仕上げられているため、リーンの時のクイックさが無い。
ノーマルのTRXと比べて、一回り太い丸太に抱きついているような感覚を受ける。
しかし、キチンと荷重移動をしてやれば、くるりと向きを変える。
コレはコレで面白い。

パワーに関しては、FCRに馴染んだ身体には、少々かったるく感じてしまった。
慣れとは恐ろしいモノだ。

新たな物欲が

kurokiのTRXを試乗した方は、AMS FUJIIでセッティングされたFCR39のスムーズさに驚く。
ゆういちさんのパワフルだけど荒々しいTDMR40と比べると、スムーズさがより際立つ。

ノーマルの負圧キャブから乗り換えても、違和感なく操作できるようだ。
しかし、油断していると、いつの間にか車速が乗っていて焦るらしい。

ただ、ブレーキシステムはほぼノーマル(パッドをカーボンロレーヌにしただけ)なので、増大したパワーを制御するには役不足では?と指摘を受ける。
そんな贅沢と一蹴してしまうこともできるが、MOSキャリパーの効き味を知ってしまうと、ねぇ‥‥。

い、いかん。物欲が(汗)。

体感で得たこと

いろいろと乗り比べてみると、いろんなことが体感できる。
いくらコトバを並べても、乗ってみないとわからないコトは、思いの外多い。

また、カスタムの結果は、各自の好みの写し鏡のようで、興味深い。
それぞれが、自分にとってこうだったら気持ちイイ、という選択を積み重ねていった結果が現れているのだと思う。

ペンションラフィア

午後5時を少し回ったところで、ペンションラフィアに到着した。

チェックインを済ませて、速攻で温泉に向かう。
この宿には、貸し切りの露天風呂があるため、メンバーだけでゆっくり風呂と楽しむことが可能なのだ。
しかも、サービス券を印刷していくと、露天風呂の中で飲むドリンクがオマケで付いたりして。

ダラダラに汗をかいた身体を、温泉で洗い流し、缶チューハイを開けて乾杯だ!

ぷはー、旨いっ。

夕食も美味しい。
メインディッシュのローストビーフは、なんとお代わり自由である。
飢えたTRX乗りどもは、言うまでもなくお代わりするのだった。

しかし我々は、こんなお洒落なペンションに、似つかわしくない客層だ。
ホントに浮いてました(汗)。

ライテク談義

夕食を終えて、部屋に戻る。
酒を片手に、皆で色々なハナシをする。

tatuyaさんがスポーツランドSUGOでインストラクターをしていた過去が発覚する。
ライディングの悩みを質問したkurokiは、ズバリ的確に現状の問題点を指摘されてしまった。

後ろから見ていて、壁にぶつかっていると見えたそうだ。
例えば、ブレーキングやリーン開始を、スイッチを切り替えるようにバラバラに行うのではなく、重ねるようにスムーズにやると良いと言われた。
腰を落としている割にはイン側に荷重がかかっていないため、バンクが安定しないのでは?とも言われた。

まさにその通り。

改善方法について教えを請うと、kurokiのレベルに合わせたピンポイント・アドバイスが返ってきた。
まずはバイクと共に倒れ込む感覚を掴むこと。そこから次のステップが開けるとのこと。

みつおきさんのパニアケースにまたがって(笑)、姿勢を取ってみるのだが、今ひとつピンとこない。
実際に走ってみて試したい。

ウズウズしてきたので、明日の早朝、近所の峠を走り込むことになった。
と言うワケで、明日に備えて就寝、なのだ。

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