kurokiは悩んでいた。
Y’s FACTORYに、中古のフルエギゾーストマフラーがあるという。
以前のオーナーはよねさんで、kuroki自身もこのマフラーをつけたTRXに乗ったことがある。
メーカー名はテクノワークス。JMCA対応じゃないので少々音はうるさいが、性能は抜群なのだそうだ。
‥‥ほ、欲しい。このマフラーが3万で手に入るなんて!
どう考えてもお買い得である。
そして、悪魔がkurokiの心にささやいた。
「ついでにFCRも買っちゃえ。」
ゆれる心
ノーマルより俄然乗りやすくなるだの、燃費が30km/lと大幅な向上になっただの、ツインは4気筒より安いしお買い得だの、いろんな誘惑のコトバを多方面からかけられ、やっぱマフラー換えるんだったらキャブもでしょう!!!という気持ちになってしまったのだ。
あああ、せっかく今まで抑えていたのに。
カスタムの王道、いや、泥沼まっしぐら。
ええい。ついでだついで。
来年の5月には車検だし、そろそろ2年だし、ちょっくらリフレッシュメンテをやっちゃおうか。
ハンドルステムのグリスアップや、サスペンションオーバーホール、スイングアームピボットグリスアップ、フルード交換などなど、気になるところは全部やっちゃえっ。
意を決してよねさんにメールを書く。「あれとこれとそれをやりたいんですけどっ」。
翌日、帰ってきたメールを見ると、見積金額(がしゃがしゃ)‥‥26万円(ちーん)。
ど~しよ(汗)。
先日の東コース走行会前日の出来事であった。
そしてkurokiは、ゆれる気持ちのまま、走行会に向かったのだった。
のんびり走行で葛藤する
TRXで久しぶりにしっかりとした距離(松戸→筑波サーキット)を移動した。
のどかな田園風景が広がる道を、さほど急ぐわけでもなく、ゆったりと流す。
「ああ、なんか気持ちいいな‥‥。」
すっかり忘れていた、この気持ちを。
元々こういう走りを楽しみたくて、バイクに乗ってたんじゃなかったっけ!?
元々ツーリングライダーだったはずじゃなかったっけ!?
風の音、エンジンの音、マフラーの音。これらが絶妙にミックスされた心地良さ。
のどかな田舎道を軽く流すとき、この心地良いサウンドは、ライダーをとても安らかな気持ちに、満ち足りた気持ちにしてくれる。
しかしリプレースマフラーは、せっかくの心地良い調和を崩す上、攻撃的なライディングを常に要求してくる。「オラオラ、もっと開けろ」と。
XJR1200で経験したこの事を、またTRXでしてしまうのだろうか。
動力性能よりも大切な事って、もっと他にもあるんじゃないの。
葛藤は、更に高まる。
ノーマルでもいいじゃないか
走行会の準備中、知人のSUZUKI TL-1000Sマフラーの音を聴かせてもらった。
これも、同じテクノワークス製だから、十分参考になる。
案の定‥‥、うるさい。
これじゃ田舎道をのんびり流すなんてもってのほか。ガンガン攻めずにはいられないだろう。
逆にノーマルマフラーでアクセルを開ける走りをすると、結構イケるサウンドを奏でる。
気分を高揚させると言えばいいか、とにかくワクワクさせてくれるのだ。
そして、新しいライディングフォームにトライし、光が見えてきた。
先にするべきことは
走行会の最終セッションでは、新しいライディングスタイルに挑戦し、幸運にも光が見えてきた。
今までぶつかってきた壁を、越えられそうな気がする‥‥。
「バイクのバージョンアップもいいけど、ライダーのバージョンアップも必要だよね」
よねさんのこの一言で、今後の方向性がハッキリした。
ツーリングを楽しくするために必要なものは、安全で楽しく走れるライディングを身につけることじゃないか、と。
それにはまず、革ツナギの購入が必須ですな。
嫁をどうやって説得するべきか、悩ましい問題は残っているけれども‥‥。