TRX850とは、どんなマシンか

YAMAHA TRX850は、1995年にビッグボア・ツインのスーパースポーツとしてデビューしました。
前年の1994年、スーパーバイク選手権でDUCATI 916が日本の4気筒勢に後塵を浴びせてチャンピオンに輝くなど、ビッグボア・ツインの性能向上がめざましい時代でした。
そんなDUCATIに対するYAMAHAの宣戦布告として、TRX850は送り込まれました。
開発キーワードは「エキサイティング・ビッグツイン」。ツインらしいスパルタンでガッツのある特性と、軽快でスポーティな走りの両立を狙った、あくまでスーパースポーツでのチャレンジだったと、YAMAHA開発陣は語っています。

当時の資料を読み返してみると、RIDERS CLUBのネモケンさんは、TRX850についてこう語っています。

とにかくTRX850は乗った途端に感動する軽やかさと、低回転からでもスロットル一捻りの瞬間にダッシュする面白さに満ちている。ところが実はヤマハ社内でも当初このTRX850開発を疑問視する声が多かったらしい。優れたバイクはライダーが積極的に操作しなくても、たとえばコーナリングは弧を描くように安定して駆け抜けていくものというのがこれまでの常識だったから無理もない。TRX850はライダーが積極的に操作することで表情が大きく変わるという、まったく正反対の性格だ。それだけ日本のスーパースポーツは画一的だったということもできる。国産にはなかった新しい価値観のスーパースポーツ誕生である。

価格も85万と安価に設定され、市場は大いに盛り上がりました。
数年後、HONDAやSUZUKIからもビッグボア・ツインのスーパースポーツが投入されたり、DUCATI 916も996となり性能が向上していきました。しかし、TRX850のエンジンブロックには余裕がなく、ボアアップできるのは900cc止まり。
ライバル勢に性能面で水を開けられてしまい、販売は低迷。残念ながら、一度もモデルチェンジすることなく、販売終了となってしましました。

しかし、TRX850が切り開いた軽やかさと、ダッシュする面白さは、後日YAMAHAが提唱したクロスプレーン・コンセプトに受け継がれることになるのです。

ユーザーから見て、どんなマシンか

kurokiを含むユーザーの一部は、TRX850をスーパースポーツとして見ませんでした。

  • 83馬力のホドホドのパワー
  • 乾燥重量188kgのソコソコ軽い車体
  • 程よくしなるトラスフレーム
  • 心地よいパルス感を感じる、270度クランクの二気筒エンジン

軽くて扱いやすいパワーの車体を、気持ちよく楽しく走らせる、FunRide(楽しい乗り物)と見たのです。
今でもこのマシンの楽しさにハマっているユーザーは、多いんですよ。

TRX850カタログ

TRX850発売中のカタログのアーカイブ です。
昔の雰囲気を懐かしみながら、ご覧ください。