新潟お泊まりツーリング ’05(後編)

午前7:00。舞子後楽園。


昨晩の豪雨は、すっかり上がっていた。
辺り一面は、絹のような白い靄(もや)に包まれている。
柔らかな静寂の中に、時折、鳥のさえずりが聞こえる。


路面はドライ。太陽が昇っていけば、この靄は晴れていくだろう。
走る上でのコンディションは良さそうだ。


のっそりと布団から起き出し、TRXの元へと向かう。


車体にたまった水滴を払いつつ、昨日の雨天走行の汚れも拭き取る。
やがて皆も集まりだし、ワイワイやりながらTRX磨きに精を出す。


ブレーキローターがすっかりサビサビになっちゃった(汗)。
いつ見ても気分のいいもんではない。


そろそろ朝食の用意ができたようだ。
kuroki達は食堂に向かったが、まだTRXから離れない一員がいる。


タンクまで上げて何をやっているのだろう?と思ったら、yokoG号のプラグ交換中だったようだ。

実は昨日のyokoG号、エンジンの不調に悩まされていた。
宿で合流するあんどーさんに依頼して、新品のスパークプラグを購入してきてもらったそうだ。
TRXのプラグは交換しにくいことで悪評が高い。yokoGさんのような手練れでも、時間がかかっているようだ。


でも、そんなコトはお構いなしに、朝飯に食らいつくkuroki達。
うめーっ。

撮影タイム

まあ、とりあえず。
TRXが並んでいることですし、撮影タイムとまいりましょーか。



色合いを揃えるようにビシッと並べて、パシャパシャと。


飯士山荘のお姉さん(!?)を交えて、バシャっと。

ひとしきり撮影を楽しんだ後は、そろそろ出発だ。


新潟の自宅へ戻るariさんとは、ココでお別れ。



去っていくariさんを見送る。


そして、kuroki達も東京へ向かって出発進行!

三国峠


越後湯沢からすぐに関越に入れるが、並行するR17の三国峠を楽しむことにした。
kurokiはyokoG号と一緒に、峠道を駆け抜けていく。


リアタイヤに体重を預け、トラクションをかけてコーナーを脱出していく感じが、実に気持ちいい。
yokoGさんからも、「今までとは違って危なげない感じが無くなって、自然に後を付いて行けるようになった」とお褒めの言葉をいただいた。
徐々に壁を越えつつあるのを感じるのだった。

猫足


三国峠越えの前に、ゆういち号にまたがるcharaoさんの姿があった。
「これから猫足(サンダーキャットのフロントフォーク)を試すんですヨ」と、ニコニコ顔だ。

昨日、目一杯走り回ったので身体はこなれているし、長めの峠道を一気に走るので、なるほど、猫足チェックには絶好のタイミングだろう。
試乗後の反応は、案の定、いや予想以上に嬉しそうだった。

猫足も良かったが、それ以上に印象深かったのは、ポジションとTDMRの力強さにあったようだ。


トップブリッジ下にマウントしたハンドル、OVERのバックステップ、河名シートのカスタムシート、これらの組み合わせで形成されたポジションが、絶妙なのだ。
それほどアクションを意識しなくても、コーナーをクイクイ曲がって行ける。まさに「目線だけで曲がる」感じで。

この「曲がる」特性に、きちんとアクセルが付いてくるのが、とても気持ちイイ。
TDMRキャブの力強さは、乗ってこそ実感できる。
アクセルを捻った時の「きゅぃぃぃぃ」という迫力の吸気音も、やる気にさせてくれる。
ただ、少々濃すぎのセッティングなのでは!?と思ったけども(笑)。


路面のギャップを素早く吸収する猫足効果も手伝って、結果として「ワインディングを楽しく曲がれる」ゆういちさんらしい味付けに仕上がったのでは?と、分析するcharaoさんだった。

しかし、イジり手の味付け次第で、同じバイクがこうまで変わるとは。
毎回毎回、驚かされる。

猿ヶ京温泉


赤谷湖という湖畔にある猿ヶ京温泉に到着。
まんてん星の湯で、温泉タイムなのだ。


露天風呂に浸かってバイク談義を楽しんだり、サウナに入って一汗かいたり、マッサージチェアに揉んでもらってくつろいだりと、それぞれが自由な時間を過ごした後は、昼食だ。


kurokiはとり釜飯をオーダー!


すっかり骨抜きになってしまったkuroki達だったが、いつまでもここに居続けるわけにはいかない。
渋滞が始まる前に、東京に戻ってしまいたい。


午後2:20。出発準備をしていたときに、アクシデントが発生。
gooch号のHIDが点灯しなくなっていた。

手練れのTRXイジリスト達が囲んで、gooch号のチェックをする。
イグニッションをONにすると、バチッという音がする。
漏電している箇所を発見したので、直ちに作業開始!


カウルを装着したままだと作業しにくいため、サクサクとフロントカウルが取り去られる。


配線を再度やり直して、イグニッションをONにすると‥‥おお~、無事に点灯!


皆さんから安堵の声が漏れたのも付かぬ間、何事もなかったようにフロントカウルが装着される。

作業にかかった時間は、わずか15分!
出先で工具が揃っていない状況にもかかわらず、この素早い作業には感服するのみ。

フロントカウルの脱着なんて朝飯前、という手練れが揃ってるからなあ。
仕事早いワケだ。

豪雨帯を突っ走る

gooch号の応急措置が完了したところで、出発する。
R17を下っていき、月夜野ICから関越道に入る。


午後3:40。関越道上里SAで休憩。
‥‥とにかく蒸し暑い。
空気中の水分量が多くて、絞ったら水が出てきそうな感じの空気だ。

上里SAを出発してから10分ぐらいのところで、空はみるみる黒くなり、すぐに猛烈な雨が襲ってきた。
高速のガード下で雨宿りをしながら、雨具を着込んで、再出発。

ヘルメットに当たる雨粒はカンカンカンカン‥‥という硬質な音を立てる。
胸元や腕には、細かい石のつぶてがバラ撒かれているような衝撃が、絶え間なく続く。
砕けた雨粒と巻き上げた水滴が霧状になり、視界が遮られる。前を走るクルマは、テールランプがうっすら見えるだけ。

わっはっは。

これだけの豪雨だと、逆に笑いがこみ上げてくる。
なるようになれっていう心境だ。

yokoG号の後について、やや渋滞気味の流れを縫うように、先へ進む。


午後5:00。関越道練馬料金所に到着。
雨は上がり、空は明るく白んでいた。
どうやら我々は、豪雨帯を通り抜けたらしい。

さーて、自宅まではもう少し。


「家に帰るまでが遠足です」を合い言葉に、皆さん帰路に就いたのだった。

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